いつか映画やりたいな――
大杉漣の中で『バイプレイヤーズ』は完結していなかった!

想定外の形で幕を閉じた『バイプレイヤーズ』。多くのキャスト・スタッフがこれでシリーズは完結だと思っていた。ただ、以前より大杉漣は『バイプレイヤーズ』の映画化、そしてさらなるシリーズを重ねるという夢を語っていた。そのバトンを引き継ごうと、企画・プロデュースの浅野敦也(TBSスパークル)はシーズン2が終わり49日が過ぎた後、映画化の実現に向け動き始め、濱谷晃一プロデューサー(テレビ東京)とドラマ新シリーズ「バイプレイヤーズ~名脇役の森の100間」とあわせて制作する形で企画の種をまき始めた。
ふじきみつ彦や宮本武史が脚本開発をしていったが、すでに完結した作品を映画にするのは容易ではなかったが、大杉漣の想いを受け継ぐ新しい『バイプレイヤーズ』に松居大悟監督や元祖バイプレメンバーをはじめとするスタッフ・キャストが続々と集まり、2019年にようやく実現に向け始動。しかし翌2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が世界を襲う。密な環境での撮影が難しくなり当初の設定を大幅変更。撮影所=『現場』を舞台に、それぞれのスタジオを少しずつ描くことで、「沢山の役者に出てもらおう!」「どうせなら100人が出演する、誰も見たことのない作品にしよう!」と、制約を逆手に取った設定に変更して動き始めた。
シーズン1ではシェアハウスの日常を、シーズン2では無人島の島ハウスの日常を、シーズン3では撮影現場の日常を。撮影所を大きなシェアハウスと考え、現場で交錯する役者たちの人間交差点のような物語に――元祖バイプレイヤーズのおじさん6人からはじまった「役者愛」を描いた物語は、100人の役者仲間たちを描くことで「役者愛」をさらに広げた「現場愛」の物語になった。現場を愛した大杉漣のバトンを受け継ぐ作品となったのだ。